5月17日午前10時30分から、静岡地方裁判所201号法廷にて、第4回口頭弁論期日が開かれました。
裁判長が交代したため、従来の弁論の内容を引き継ぐ「弁論更新」手続きが行われました。
原告側は、この手続きを利用して従前の主張の一部を口頭で説明しました。具体的には、①福島第一原発事故を経た今、従来の安全審査、安全評価は無効となったこと、②原子力発電所では、地震や津波により、配管破断・冷却材喪失事故(LOCA)が生じる危険性があること、③浜岡原発は、想定東海地震の震源域の真上、津波の集中が予想されている世界一危険な場所に立地していること、④浜岡原発の半径20キロ圏内(福島第一原発事故では警戒区域)には、東名高速道路、東海道新幹線、静岡空港があり、人口や産業も多く、浜岡原発で事故が発生すれば大きな被害が予想される上、南西方向の風が吹いているので首都圏にも甚大な被害が予想されることなどです。
また、今回原告が提出した書面から、⑤報道によれば静岡県民の多くが再稼働に反対し、静岡県内35市町議会のうち24市町議会、18市町の首長が、浜岡原発の再稼働を認めていないと評価できることも主張しました。
期日では、被告準備書面(2)、原告準備書面3がそれぞれ提出されました。
原告が提出した「準備書面3(原告準備書面3はこちら)」では、被告が前回提出した2月29日付被告準備書面(1)に対し、被告の安全性の備えの基本が、福島第一原発事故を経た今でも同事故前の枠内にとどまっていることを批判しました。
その上で、被告に対しては次の事項を質問しました。
まず、地震動について、(1)浜岡原発3から5号機の設計段階において、震度7の地震が耐震設計上考慮されているか、(2)現段階においてはどうかです。
また、津波については、(1)浜岡原発の津波対策は、21mの津波高を想定したものか、(2)遡上高について具体的に検討しているかなどを質問しました。
さらに、スクラム(原子炉に異常が発生した場合に原子炉を緊急停止させること)については、震度7の地震に襲われた等の想定でスクラムが成功するかをシミュレーションしているかを質問しました。
この質問は、内閣府に設置された「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が2012(平成24)年3月31日「南海トラフの巨大地震による震度分布・津波高について(第一次報告)」を発表し、南海トラフの連動地震が発生した場合、そのマグニチュードは9.0以上、静岡県付近では震度7、御前崎市付近では21mの津波が発生すると想定したことを受けてのものです。被告の回答に注目したいと思います。
次回の裁判は2012年8月2日(木)午前10時30分からと指定されました。
今後とも応援をよろしくお願いいたします。