浜岡原子力発電所運転終了・廃止等請求訴訟弁護団より ~ご挨拶~

私たちは中部電力を被告とする浜岡原発の運転終了・原子炉の廃止等を求める裁判の弁護団です。静岡県弁護士会に所属する弁護士有志119名、愛知県弁護士会に所属する弁護士有志126名、他の弁護士会に所属する弁護士32名の合計277名(2012年12月11日現在)で構成されています。
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【2012年10月11日】浜岡原発再稼働の県民投票条例否決を受けて

2012 年 10 月 11 日 木曜日 投稿者:浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

私たちは、条例制定の直接請求に必要な有権者の50分の1(約6万2000人)を大幅に上回る16万5127人の方々の署名が尊重され、中部電力浜岡原子力発電所の再稼働の是非を問う県民投票条例が制定されることを期待していました。

しかし、残念ながら、静岡県議会は、条例案を否決しました。修正案も否決しました。16万5127人という大勢の方々が、浜岡原発の再稼働について、自分たちの声を直接表明できる住民投票条例を制定したいと直接請求したのですから、この県民の声が尊重され、必要な修正をして条例が制定されると期待していました。本日の議会の審議結果は、実に残念です。

「原発」は、国策だから住民投票になじまないということで否決されたのであれば、それは問題です。福島第一原発の事故を経験した後である今日では、国の政策を信頼せよというだけでは、私たち住民は納得できません。自分たちに重大な危害が及ぶおそれのある「原発」について、どうしたいかという意見を、私たちは、表明できるべきです。重大な問題だからこそ、議員任せにしないで自分たちで決めようとすることができるべきです。議員や首長の選挙では、「原発」が争点になったとしても、それだけが決め手になる訳ではありません。「原発」だけについて意見表明できる住民投票が実施できないことは残念でなりません。

では、県民投票ができないのであれば、自らの声を裁判所に届けようではありませんか。

私たち浜岡原発運転終了・廃止等請求弁護団は、昨年7月1日に静岡地方裁判所に浜岡原発の3~5号機の運転終了、使用済核燃料の安全な保管などを求める本訴を提起しています。
先日もお話ししたとおり、この裁判で、中部電力は、今年8月末に公表される内閣府「南海トラフの巨大地震モデル検討会」の第2次報告のデータを入手し、それを検討しないと安全性についての主張ができないと言っています。それでいて、18mの防潮堤の工事を続けています。結局、中部電力は、訴訟の引き延ばしをしている間に防潮堤を完成させ、訴訟の結論が出る前に再稼働させようとしているのです。

中部電力が、今やっている津波対策ができたとして、浜岡原発の再稼働をしようとすることは間違いありません。私たちは、中部電力に「本訴(昨年7月1日に起こした裁判です)の結論が出るまでは、浜岡原発3、4、5号機の再稼働をしない」ことを求める仮処分の申請をしなければならないと考えています。

私たちは、できるだけ沢山の方々に、仮処分の申立人(「債権者」とよびます。)として参加してもらいたいのです。再稼働を認めないという意見を持つ方々がこんなに沢山いるのだということを仮処分申請という形で中部電力に突き付けましょう。

※ 仮処分申立人(債権者)募集説明会の日時場所はこちらです。