浜岡原子力発電所運転終了・廃止等請求訴訟弁護団より ~ご挨拶~

私たちは中部電力を被告とする浜岡原発の運転終了・原子炉の廃止等を求める裁判の弁護団です。静岡県弁護士会に所属する弁護士有志119名、愛知県弁護士会に所属する弁護士有志126名、他の弁護士会に所属する弁護士32名の合計277名(2012年12月11日現在)で構成されています。
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【2015年7月16日】第20回口頭弁論期日・第14回仮処分進行協議期日が開催されました

2015 年 7 月 17 日 金曜日 投稿者:浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

【2015年7月16日】第20回口頭弁論期日・第14回仮処分進行協議期日が開催されました

<本訴の第20回口頭弁論期日>

2015年7月16日午前10時30分から、静岡地方裁判所201号法廷にて、本訴の第20回口頭弁論期日が開かれました。

私たち原告は、原告準備書面28を提出しました。
また、口頭でその書面の趣旨説明を行いました。

書面の内容としては、被告準備書面(15)に対する再反論で、要旨は以下のようになります。

水蒸気爆発について、被告は、発生確率が低いレアなケースと主張する。
しかし、蒸気爆発は、国内では200件以上発生し、死者重傷者を出している。
アメリカ等の海外でも起きている。

また、シビア・アクシデントの際の、格納容器破損確率について、被告は、外部的トリガーがないと発生しないと主張する。
しかし、水蒸気爆発の発生機序において,膜沸騰を崩壊させる「トリガー」は,必ずしも外部的なものに限られない。

フェールセーフ(機械やシステムに事故や誤りが生じた際に,機器やシステムなどを必ず安全側に導くという
設計思想)について、例えば新幹線では、新幹線を停止する。
原発は、制御棒を挿入しても止まらないので、冷却を続けなければならなず、フェールセーフは確保されてない。

ヨーロッパでは、想定できない全く未知の事象について対策している。

浜岡は、世界的に見ても最も危険な立地条件である。

被告において,本件原子力発電所において,メルトスルーに陥った場合の対策
や水蒸気爆発を発生した場合の格納容器損傷確率の評価策をどのように行って
いるか,具体的に回答されたい。
このような事態をそもそも想定していないのであれば,明確にその旨回答され
たい。

また、我々は、前回期日で法廷で行ったプレゼンテーションについて、準備書面を準備中であるとも伝えました。

なお、今回、被告からの書面はありませんでした。

<仮処分についての第14回目の進行協議期日>

また、口頭弁論期日の終了後、仮処分についての第14回目の進行協議期日が開かれました。

前回は、争点整理が話題となり、私たち原告は、争点整理に入れる状態だと言ったところ、被告はまだ検討を要すると答えていました。

本日の進行協議では、被告は、本訴について、書証の提出を検討している、今までほとんど出してなかった、と言ってきました。書証は地震・津波という大括りで出すことを考えているとのことでした。

また、原告準備書面28及び今後の原告書面への対応も検討しているとのことでした。
また、その後についての具体的な提案は今は特にないとのことでした。

また、被告は、原告準備書面27への反論について、広域避難計画はこれから自治体が策定するものであるため、事業者である被告が具体的な主張をすることは考えてないとのことでした。※

私たち原告としては、争点は出揃っているので、裁判所が積極的に釈明していただければと告げました。

また、上記のように、被告が原告準備書面27への反論をしないことについて、調書化(裁判所の調書に記録すること)か、被告の準備書面の形で明確にしてほしいと伝えました。

この点、裁判所は、次回期日に法廷で原告が被告に対し口頭で聞いて被告が答えるのでもいいし、被告が何らかの形(書面等)で応答してもいいのではとのことでした。

また、上記のように、被告がこれから書証を提出していく点について、被告は、次の期日に一度には無理でも、そんなに何回の期日もかかるものではないとのことでした。
しかし、既に提訴から長く経っていることから、私たち原告は、書証を出すのに2~3回かかるというのは理解できない、被告による訴訟の引き伸ばしであり、既成事実の積み重ねを狙っているのではないかと話しました。

このことについて、裁判所は、被告に対し、書証を出すなら出すでいいが、原告が言うとおりあまりかかるのはどうかとのことでした。

また、裁判所は、争点整理に入る時期が近づいている旨を言い、争点整理をどうするか考えたいとのことでした。
裁判所は、例えば、判決書を念頭におくと、争いのない事実などからスタートするか、
それともテーマ(例:地震、津波)ごとに詰めていくか、と考えている様子でした。

私たち原告も、この裁判所の様子を受けて、双方の議論が噛み合っているかは、そう簡単に整理するのは大変かもしれないので、テーマごとに、こういった期日の場でディスカッションしながらではどうか、そうしないといつまで経っても終わらないことを話しました。

裁判所も、こういった期日の場を有意義にするには、口頭で答えてもらうこともあること、テーマについて、原告がまとめ、被告も検討し、期日に臨むのはどうかとのことでした。
また、裁判所は、被告に対し、書証をなるべく早く出すように言っていました。

<記者会見>

これらの期日終了後、記者会見が裁判所に隣接する弁護士会館で行われました。
記者会見の要旨につきましては、こちらをご覧ください。
平成27年7月16日記者会見要旨

<次回の裁判期日>

・裁判について
次回の裁判は、平成27年9月15日(火)(!曜日ご注意!)午前10時30分@静岡地方裁判所 と指定されています。

<今後の予定>
次々回期日:平成27年11月26日(木) 午前10時30分
その次の期日:平成28年2月4日(木) 午前10時30分

今後とも応援をよろしくお願いいたします。