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浜岡原子力発電所運転終了・廃止等請求訴訟弁護団より ~ご挨拶~

私たちは中部電力を被告とする浜岡原発の運転終了・原子炉の廃止等を求める裁判の弁護団です。静岡県弁護士会に所属する弁護士有志119名、愛知県弁護士会に所属する弁護士有志126名、他の弁護士会に所属する弁護士32名の合計277名(2012年12月11日現在)で構成されています。
弁護団を応援したいという気持ちを持って下さった方は、ぜひ「サポーター」として協力をお願いいたします。(サポーターの説明はこちら
裁判の日程や報告は、「裁判の予定と報告」からご覧下さい。

【予定】2015年5月21日本訴の第19回口頭弁論期日,仮処分の第13回進行協議期日が開催されます。

2015 年 5 月 8 日 投稿者:浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟の第19回口頭弁論期日が以下のとおり開催されます。

日時 2015(平成27)年5月21日(木)10時30分から

場所 静岡地方裁判所 201号法廷

傍聴はどなたでも可能です。
ただし、傍聴希望者多数の場合は傍聴券交付にあたって抽選が実施され(※)、入廷できない可能性があります。

今回は、原告被告双方がそれぞれ、これまでの主張をプレゼンテーション形式で説明する予定です。原告側はパワーポイントを用意して、できるだけわかりやすく説明する予定です。たくさんの方の傍聴をお待ちしています。

審理終了後、この裁判(本訴)及び浜岡5号機の仮処分の第13回進行協議期日が予定されています。
進行協議期日は非公開で行われるため、当事者(原告・債権者)以外の方は入室できません。ご了解下さい。

★事務局からのお願い★
債権者の方で進行協議期日への出席を希望される方は、事前に弁護団事務局までご一報ください。

進行期日終了後(午後0時ころから)、静岡県弁護士会3階(静岡地方裁判所敷地内)において記者会見兼報告集会を予定しています。
報告集会は、原告・債権者でなくても、弁護団を応援して下さる方はどなたでも入場いただけますので、ぜひご参加下さい。

(※)参考 今回と同じ午前10時30分からの裁判の時に静岡地方裁判所のホームページに掲載された傍聴券交付情報を一部引用して掲載します(今回の裁判に関しても期日の数日前には静岡地方裁判所のホームページに同様の情報が掲載されると思います。)。抽選の集合時間等ご参考になさってください。

日時・場所 2013年×月×日 午前10時10分  静岡地方裁判所北側玄関前(雨天の場合は同裁判所地階道交室)
事件名 浜岡原子力発電所運転終了・廃止等請求事件 平成23年(ワ)第886号
備考 当日,午前9時30分から午前10時05分までに集合場所に来られた方を対象に抽選します。駐車用スペースに限りがありますので,できる限り公共の交通機関をご利用ください。 (身体の不自由な方については,駐車スペースを用意しています。)

鹿児島地裁の川内1,2号機運転差止仮処分却下決定に対する弁護団声明

2015 年 4 月 22 日 投稿者:浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

福島事故から何も学ばなかった鹿児島地裁の決定に強く抗議する

2015(平成27)年4月22日

 

浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

代表  弁護士 鈴  木  敏  弘

 

本日の鹿児島地裁の決定は、裁判所が2011(平成23)年3月11日の福島第一原発の事故から何も学ばなかったと評価せざるを得ないものである。原子力発電という技術が自然現象に耐えられないこと、原子力発電所が極めて危険な施設であり、一旦重大な事故を起こしたときは取り返しのつかない深刻な被害を広範にもたらすこと、原子力発電所が安全か否かについては、万が一にも事故を起こさないようにすべてを安全サイドにたって判断されなければならないということが福島第一原発の事故から私たちが学んだことのはずだ。本日の決定は、我が国の裁判所に対して国民が期待する機能を放棄するに等しいもので、誠に残念である。

裁判所としては、専門家の間で意見が分かれているような事項については、より安全サイドに立って、疑問が払拭されていない以上、危険性があるという判断を示すべきであった。このような姿勢の欠如こそが、これまで多くの原発裁判が提起されながら、司法が福島原発事故を防ぐことができなかった最大の問題点である。またしても、司法は次なる重大事故につながりかねない重大な誤りを犯したといわざるを得ない。

鹿児島地裁で正しい判断が示されなかったことは残念であるが、私たちは、このような不当な判断に怯むことなく、静岡地裁において、先日の福井地裁のような司法による原発運転停止の判断を得られるように、全国の法廷で市民の生命と安全を守るために闘い続けている多くの弁護団と協力して、より一層頑張ることを宣言する。

福井地裁の高浜3,4号機運転差止仮処分決定についての弁護団声明

2015 年 4 月 16 日 投稿者:浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

当弁護団は、2015年4月14日の福井地裁の高浜3,4号機運転差止仮処分決定につき、同日、記者会見を行い、声明を発表しました。声明の全文を掲載します。基準地震動の定め方に根本的な問題があるので規制基準は不十分だという同決定の指摘は、どこの原発にもあてはまるものです。

記者会見

福井地裁の高浜3,4号機運転差止仮処分決定についての弁護団声明
2015(平成27)年4月14日

浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団
代表  弁護士 鈴  木  敏  弘

本日、福井地方裁判所は、高浜原発3,4号機の運転差止めを命じる仮処分を決定しました。高浜原発3,4号機については、原子力規制委員会がいわゆる新規制基準に基づいて設置変更許可をだしていますが、この決定によって、再稼働することはできなくなりました。
2011(平成23)年3月11日の福島第一原発の事故を目の当たりにした我々は、原子力発電という技術が自然現象に耐えられないことを知りました。ひとたび深刻な事故に至ってしまえば、原発は、多くの人の生命、身体に重大な被害をもたらすこと、そして、放射性物質に覆われた土地はほぼ永久的に人が住めない土地になってしまうことが明らかになりました。生存を基礎とする人格権は、最高の価値をもつものであり、経済的な権利に優先するものです。その人格権に基づいて、安全性が証明できない原発の運転が差止められるのは当然であると我々は考えてきました。
本日の決定は、昨年5月21日の大飯原発3,4号機の運転差止めを認めた同地裁の判決と同じく、関西電力が想定している基準地震動を超える地震が高浜原発に到来しないという保証はないこと、基準地震動を超えない地震動でも冷却機能を喪失し重大な事故にいたる危険があることを認め、万一の場合にも放射性物質の危険から国民を守るべく万全の措置が取られていなければならないはずの原発であるにもかかわらず、そのような措置が取られていないことから、運転を差し止めました。昨年の同地裁の判決について、多くの人々が「司法は生きていた」と称賛しました。本日の決定も、福島第一原発の事故を経験した我が国の裁判所として、二度と福島の惨劇を繰り返してはならないというごく当たり前のそしてほとんどの国民が思っている考えを、法理的にも正しいものだと認めて、司法の役割を果たすべく判断を示したものであり、多くの国民の期待に応えた大変立派なものと考えます。
中部電力株式会社は、本日の福井地方裁判所の決定の内容を謙虚に受け止め、南海トラフでの巨大地震と巨大津波に耐えられる科学技術がないことを自覚し、浜岡原発の再稼働を諦めるべきです。
また、静岡地方裁判所は、原子力規制委員会の審理結果を待っていても、浜岡原発の安全性が明らかになることなどないことを理解し、静岡県を、中部地方を、日本を、そして、世界を守るために、極めて脆弱な安全対策しかできない浜岡原発の運転を一日も早く差し止めるという判断をすべきです。
以上、声明します。

上映会 映画「日本と原発」 監督 弁護士河合弘之

2015 年 3 月 10 日 投稿者:浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

弁護団の弁護士河合弘之による初監督映画「日本と原発」の上映会のご案内です。

監督河合と弁護士海渡雄一、木村結の3人が、関係者、有識者にインタービューを行い、エネルギー政策の欺瞞と真実を追い求めたドキュメンタリー映画です。

多くの人のお力により、上映することができることとなりました。

静岡県下各地で上映会を開催します!

<3月・4月の上映日程>

3/14(土) 14:30  富士宮市市民文化会館(富士宮市)

3/29(日) 18:00  ワークピア磐田(磐田市)

4/3(金) 14:00  18:30(1日2回上映)

市立図書館4F視聴覚ホール(沼津市)

4/4(土) 13:30 菊川文化会館アエル(菊川市)

4/5(日) 14:00 藤枝市生涯学習センター(藤枝市)

4/11(土) 13:30 静岡労政会館6F(静岡市葵区)
         ★河合監督の講演あり!!

4/12(日) 14:00 浜松科学館(浜松市)

4/18(土) 13:30 ラ・ホール富士(富士市)

4/21(火) 18:00 掛川市生涯学習センター(掛川市)

4/25(土) 13:00 はあとぴあ(静岡市清水区)

<上映会参加費>

◆浜松周辺4市(御前崎市、牧之原市、掛川市、菊川市)は、参加費無料(会場カンパをお願いします)
◆他の会場は700円
◆高校生以下と障がい者の方は無料

<主催>

浜岡原発を考える静岡ネットワーク《浜ネット》

【2015年3月9日】第18回口頭弁論期日・第12回仮処分進行協議期日が開催されました

2015 年 3 月 9 日 投稿者:浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

【2015年3月9日】第18回口頭弁論期日・第12回仮処分進行協議期日が開催されました

<本訴の第18回口頭弁論期日>

2015年3月9日午前10時30分から、静岡地方裁判所201号法廷にて、本訴の第18回口頭弁論期日が開かれました。

被告は、前回とこの期日の間に、準備書面(16)を提出しました。

まずは、被告から、準備書面(16)について、口頭にて、以下のように、要点を説明しました。

被告は、私たちの側方流動の主張について、反論する。
被告は、地盤の液状化のメカニズムについて、砂丘堤防を含む周辺地盤調査を行った。
そして、耐震性、耐津波性について問題がないことを確認した。
また、一部の地盤は改良も実施している。
地震応答解析は、液状化も考慮している。
求釈名へも回答した。

私たちは、原告準備書面26原告準備書面27を提出しました。

これらの書面の要旨について、私たちは、口頭で、次のように説明しました。

原告準備書面26

(1)H断層系とは、浜岡原子力発電所敷地内及びその北側に存在する5条(5本)の断層をいう。
新規性基準にいう活断層であれば、原発の稼働は許されない。
被告は、H断層系は、新規性基準にいう活断層ではないと主張する。
しかし、H断層系は、新規性基準にいう活断層である。
H断層系は、放射性炭素年代測定により、少なくともほぼ1万年以降は活動してない。
これは、裏を返せば、1万年より前の活動は明らかでないことになる。

(2)また、被告は、H断層系が活断層ではないと主張するために、T11断層に堆積する礫層が笠名礫層(相当)であるとする。
T11断層とは,浜岡原子力発電所敷地の北側約150メートルに位置する断層(地層のずれ)である。
しかし、T11断層に堆積した礫層は,その直接の下位層を相良層としているのであるから,笠名礫層よりはむしろ御前崎礫層に相当するものと見るのが自然である。
したがって、被告の主張には合理性がなく,これを前提としてH断層系は活断層でない(後期更新世以降活動していない)とする主張には前提において誤りがある。

(3)被告は、ESR年代測定法(放射性炭素年代測定法の限界を超える数万~数百万年が適応範囲とされる)といった測定法を用いず、意図的に絶対年代測定による調査を避けているのではないかという疑問を持たざるをえない。

原告準備書面27

周辺住民への甚大な影響について、わかりやすくフリップを用意して説明しました。
原発事故から避難することは、憲法の人格権の問題である。
静岡で、果たして逃げられるのか。
静岡県は,三菱重工業株式会社に委託し,「浜岡原子力発電所の原子力災害に係る避難時間推計業務」の報告書を提出させている。
しかし、これは、役には立たない。
理由は以下のとおり。

避難には車を想定し、避難の時間は30時間とされるが、これには根本的な欠陥がある。当然想定されるべき、家屋倒壊、火災などによる道路の閉鎖が考慮されてない。
フリップにて、静岡県の地形が、北が山であるため、東西に逃げるしかないが、東西には川があり、川が寸断されたら逃げられない。
由比のさった峠付近では、道路が寸断される可能性もある。
また、フリップにて、富士川河口断層帯では、地震で7~10mの地盤の変位が予想され、落橋が考えられる。
静岡県は,平成25年11月,第4次地震被害想定を発表している。
そこでは、1ヶ月間、主要交通が普及しないことも想定されている。
もし1ヶ月逃げられなかったら、その間被曝が堆積していくことになる。

また、私たちは、口頭で、被告に対し、被告の主張は基礎付ける証拠が引用されてない ことがあり、こちらが検討できないことを伝えました。

<仮処分についての第12回目の進行協議期日>

また、口頭弁論期日の終了後、仮処分についての第12回目の進行協議期日が開かれました。

次の期日から、裁判官の左陪席(傍聴席から見て右側の裁判官)が代わるとのことで、その方も同席となりました。

裁判所から、各当事者への進行についての確認がありました。

被告としては、ひと通り書面提出したので、今回の原告準備書面26及び27への反論を検討するとのことでした。

私たちは、主要論点については、今日をもって出したこと、今後は、水蒸気爆発に関する被告への反論を行うこと、被告の反論に対する再反論も出す予定であることを伝えました。
また、期日で口頭で述べたことと重ねて、被告から証拠が出てない主張があること、例えば、防波壁の構造の主張など、こちらとしても、シュミレーションしたいのに、数値の固定ができないことを伝えました。

また、私たちは、次回の5月の期日において、河合弁護士が監督した映画を証拠請求したいこと、その証拠提出方法として、全部を映写すると時間が長いのでダイジェスト版を考えていると伝えました。

これに対し、被告は、映写をする必要がないのではないかと言っていました。

裁判所は、どのように進行するかは検討するが、弁論更新(裁判官の交代による手続き)が入るので、次回期日に関しては、新たな証拠の映写を行うよりは、今までの訴訟の説明の方がいいのではないかと考えているようでした。

<記者会見>

これらの期日終了後、記者会見が裁判所に隣接する弁護士会館で行われました。
記者会見の要旨につきましては、こちらをご覧ください。
平成27年3月9日記者会見要旨

<次回の裁判期日>

・裁判について
次回の裁判は、平成27年5月21日(木)午前10時30分@静岡地方裁判所 と指定されています。

<今後の予定>
 次々回期日:平成27年7月16日(木)午前10時30分
 その次の期日:平成27年9月15日(火)(!曜日ご注意!)午前10時30分

今後とも応援をよろしくお願いいたします。

【予定】平成27年1月22日第17回口頭弁論期日・第11回進行協議期日が開催されます

2015 年 1 月 21 日 投稿者:浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟の第17回口頭弁論期日が以下のとおり開催されます。

日時 平成27年1月22日(木)14時から
      ※いつもと時間が異なりますのでお気を付け下さい。
場所 静岡地方裁判所 201号法廷

傍聴はどなたでも可能です。
ただし、傍聴希望者多数の場合は傍聴券交付にあたって抽選が実施され(※)、入廷できない可能性があります。

審理終了後、この裁判(本訴)及び浜岡5号機の仮処分の第11回進行協議期日が予定されています。
進行協議期日は非公開で行われるため、当事者(原告・債権者)以外の方は入室できません。ご了解下さい。

★事務局からのお願い★
債権者の方で進行協議期日への出席を希望される方は、事前に弁護団事務局までご一報ください。

進行期日終了後(午後3時ころから)、静岡県弁護士会3階(静岡地方裁判所敷地内)において記者会見兼報告集会を予定しています。
報告集会は、原告・債権者でなくても、弁護団を応援して下さる方はどなたでも入場いただけますので、ぜひご参加下さい。

(※)静岡地方裁判所のホームページに傍聴券交付情報が掲載されています(以下引用)。

日時・場所 平成27年1月22日 午後1時40分 静岡地方裁判所北側玄関前(雨天の場合は同裁判所地階道交室)
事件名 浜岡原子力発電所運転終了・廃止等請求事件 平成23年(ワ)第886号
備考 当日,午後1時00分から午後1時35分までに集合場所に来られた方を対象に抽選します。駐車用スペースに限りがありますので,できる限り公共の交通機関をご利用ください。 (身体の不自由な方については,駐車スペースを用意しています。)

【2014年9月4日】第15回口頭弁論期日・第9回仮処分進行協議期日が開催されました

2014 年 12 月 29 日 投稿者:浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

【2014年9月4日】第15回口頭弁論期日・第9回仮処分進行協議期日が開催されました

<本訴の第15回口頭弁論期日>

2014年9月4日午前10時30分から、静岡地方裁判所201号法廷にて、本訴の第15回口頭弁論期日が開かれました。

■原告提出書面■

私たちは、前回とこの期日の間に、原告準備書面18原告準備書面19原告準備書面20原告準備書面21原告準備書面22原告準備書面23を提出しました。

これらの書面の要旨は、次のようになります。

原告準備書面18

この書面では、以下の点を指摘しました。

(1) 旧安全審査指針が妥当でなかったこと~福島事故が防げなかったこと

(2) 新規制基準に問題があること

原告準備書面19

この書面では、立地審査指針は、原発の敷地内に限定されていたこと、事故自体を矮小化して捉えていたことを指摘しました。

原告準備書面20

この書面では、新規制基準の問題点を指摘しました。

原告準備書面21

この書面では、水蒸気爆発の危険性を指摘しました。

すなわち、福島原発事故は「水素爆発」であったが、「水蒸気爆発」は、その「水素爆発」よりも破壊力が大きいことを指摘しました。

また、浜岡原発5号機は、改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)ですが、Mark-Ⅰ型(またはその改良型)のBWRと比較して、水蒸気爆発の危険性が高いことを指摘しました。

原告準備書面22

この書面では、大飯原発判決(福井地方裁判所、平成26年5月21日)について述べました。

すなわち、判決は、福島原発事故という「世界の原子力の歴史に残る大事故」を目の当たりにし、正面から原子力発電所の安全性について判断したことの大いなる意義を述べました。

さらに、この判決は、本件浜岡原発訴訟よりも後の平成24年に訴え提起されましたが、1年4ヶ月の審理期間で浜岡訴訟よりも早く判決が出されました。
これは、新規性基準適合性審査の完了を待たずに判断したこと、また立証活動においても、証人尋問を実施せず、書証(紙の証拠)を中心に実施されたことが理由として考えられることを指摘しました。

そこで、我々は、本件浜岡原発訴訟においても、裁判所に早期の判断を願いたいとも述べました。

原告準備書面23

この書面では、以下の(2)のように、求釈明を行いました。

(1) 大飯原発判決の地震動に対する判断

大飯原発判決では、被告関西電力の基準地震動の策定が甘いこと、各地の原発で基準地震動を上回る地震が発生していること、被告関西電力は、クリフエッジ(プラントの状況が急変する地震、津波等の負荷のレベル)を、1260ガルと特定したが、それでは全く足りないことなどを判断しています。

(2) 求釈明

我々は、被告に対し、①地震動、②津波、③炉心の燃料についての全交流電源喪失及び最終ヒートシンク喪失に係る日数について、各クリフエッジを明らかにするよう、求釈明しました。

■被告提出書面■

被告は、準備書面(10)を提出しました。

被告によれば、我々の準備書面13と14へ応答したものだとのことでした。

なお、被告によれば、我々の準備書面18と19に対する応答は、次回期日で提出の準備とのことでした。

また、我々の準備書面16と20について(基準地震動や津波などについて述べたものです)、検討中であり、次々回期日に間に合うように準備したいとのことでした。

それ以外の準備書面は、次回もしくは次々回までに提出できるように準備中とのことでした。

<仮処分についての第9回目の進行協議期日>

また、口頭弁論期日の終了後、仮処分についての第9回目の進行協議期日が開かれました。
原告は、被告に対し、原告準備書面23の求釈名は簡単なので、次回回答してほしいと伝えました。
被告は、検討すると答えました。

また、我々は、裁判所に対し、早期のご判断をお願いしました。

<記者会見>

これらの期日終了後、記者会見が裁判所に隣接する弁護士会館で行われました。
記者会見の要旨につきましては、こちらをご覧ください。
平成26年9月4日記者会見要旨

今回は、たくさんのマスコミの方に取材にお越しいただきました。
ありがとうございました。

<次回の裁判期日>

・裁判について
次回の裁判は、平成26年9月4日(木)午前10時30分(再び午前中の期日です)@静岡地方裁判所 と指定されています。

<今後の予定>
 次々回期日:平成26年11月27日(木)午前10時30分
 その次の期日:平成27年1月22日(木)午後2時(!!お時間注意!!)

今後とも応援をよろしくお願いいたします。

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■傍聴・進行協議期日・記者会見・昼食会について■

傍聴の仕方、進行協議期日、記者会見、昼食会のご案内については、こちらをご覧ください。

【2014年7月24日】第14回口頭弁論期日・第8回仮処分進行協議期日が開催されました

2014 年 8 月 4 日 投稿者:浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

【2014年7月24日】第14回口頭弁論期日・第8回仮処分進行協議期日が開催されました

<本訴の第14回口頭弁論期日>

2014年7月24日午後2時から、静岡地方裁判所201号法廷にて、本訴の第14回口頭弁論期日が開かれました。

■原告提出書面■

私たちは、前回とこの期日の間に、原告準備書面18原告準備書面19原告準備書面20原告準備書面21原告準備書面22原告準備書面23を提出しました。

これらの書面の要旨は、次のようになります。

原告準備書面18

この書面では、以下の点を指摘しました。

(1) 旧安全審査指針が妥当でなかったこと~福島事故が防げなかったこと

(2) 新規制基準に問題があること

原告準備書面19

この書面では、立地審査指針は、原発の敷地内に限定されていたこと、事故自体を矮小化して捉えていたことを指摘しました。

原告準備書面20

この書面では、新規制基準の問題点を指摘しました。

原告準備書面21

この書面では、水蒸気爆発の危険性を指摘しました。

すなわち、福島原発事故は「水素爆発」であったが、「水蒸気爆発」は、その「水素爆発」よりも破壊力が大きいことを指摘しました。

また、浜岡原発5号機は、改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)ですが、Mark-Ⅰ型(またはその改良型)のBWRと比較して、水蒸気爆発の危険性が高いことを指摘しました。

原告準備書面22

この書面では、大飯原発判決(福井地方裁判所、平成26年5月21日)について述べました。

すなわち、判決は、福島原発事故という「世界の原子力の歴史に残る大事故」を目の当たりにし、正面から原子力発電所の安全性について判断したことの大いなる意義を述べました。

さらに、この判決は、本件浜岡原発訴訟よりも後の平成24年に訴え提起されましたが、1年4ヶ月の審理期間で浜岡訴訟よりも早く判決が出されました。
これは、新規性基準適合性審査の完了を待たずに判断したこと、また立証活動においても、証人尋問を実施せず、書証(紙の証拠)を中心に実施されたことが理由として考えられることを指摘しました。

そこで、我々は、本件浜岡原発訴訟においても、裁判所に早期の判断を願いたいとも述べました。

原告準備書面23

この書面では、以下の(2)のように、求釈明を行いました。

(1) 大飯原発判決の地震動に対する判断

大飯原発判決では、被告関西電力の基準地震動の策定が甘いこと、各地の原発で基準地震動を上回る地震が発生していること、被告関西電力は、クリフエッジ(プラントの状況が急変する地震、津波等の負荷のレベル)を、1260ガルと特定したが、それでは全く足りないことなどを判断しています。

(2) 求釈明

我々は、被告に対し、①地震動、②津波、③炉心の燃料についての全交流電源喪失及び最終ヒートシンク喪失に係る日数について、各クリフエッジを明らかにするよう、求釈明しました。

■被告提出書面■

被告は、準備書面(10)を提出しました。

被告によれば、我々の準備書面13と14へ応答したものだとのことでした。

なお、被告によれば、我々の準備書面18と19に対する応答は、次回期日で提出の準備とのことでした。

また、我々の準備書面16と20について(基準地震動や津波などについて述べたものです)、検討中であり、次々回期日に間に合うように準備したいとのことでした。

それ以外の準備書面は、次回もしくは次々回までに提出できるように準備中とのことでした。

<仮処分についての第8回目の進行協議期日>

また、口頭弁論期日の終了後、仮処分についての第8回目の進行協議期日が開かれました。
原告は、被告に対し、原告準備書面23の求釈名は簡単なので、次回回答してほしいと伝えました。
被告は、検討すると答えました。

また、我々は、裁判所に対し、早期のご判断をお願いしました。

<記者会見>

これらの期日終了後、記者会見が裁判所に隣接する弁護士会館で行われました。
記者会見の要旨につきましては、こちらをご覧ください。
平成26年7月24日記者会見要旨

今回は、たくさんのマスコミの方に取材にお越しいただきました。
ありがとうございました。

<次回の裁判期日>

・裁判について
次回の裁判は、平成26年9月4日(木)午前10時30分(再び午前中の期日です)@静岡地方裁判所 と指定されています。

<今後の予定>
 次々回期日:平成26年11月27日(木)午前10時30分
 その次の期日:平成27年1月22日(木)午後2時(!!お時間注意!!)

今後とも応援をよろしくお願いいたします。

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■傍聴・進行協議期日・記者会見・昼食会について■

傍聴の仕方、進行協議期日、記者会見、昼食会のご案内については、こちらをご覧ください。

講演会「原発の本当のコスト 原子力発電が電気代を高くする」が開催されました

2014 年 7 月 12 日 投稿者:浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

浜岡原子力発電所運転終了・廃止等請求訴訟弁護団主催が主催して、以下のイベントを開催しました。



H26.7.12oshimakouennkai

原子力発電についての講演会
「原発の本当のコスト 原子力発電が電気代を高くする」

  講師:大島堅一立命館大学教授

  日時 2014年7月12日(土)14時00分~16時30分

  場所 静岡労政会館ホール
    (静岡市葵区黒金町5−1 JR静岡駅北口徒歩10分)

<講演会の動画・資料>

大島堅一先生講演会 動画

質疑応答 動画

資料 「原発コストとみえない負担」大島堅一先生

 

<開催の趣旨>

 平成26年5月から中部電力の電気料金が値上げされました。

 その理由は、浜岡原子力発電所の運転停止により火力発電の燃料費が大幅に増加し、賃金引下げなどのコストダウンを図っても赤字は避けられず、よって電力の安全・安定供給を継続するため値上げせざるを得ないそうです。

しかし…

本当に原子力発電は安い発電方式なのでしょうか?

それに、脱原発すると日本経済は悪くなるのでしょうか?

そもそも、原子力発電のために、税金や電気料金からどれだけのお金が回されているのでしょうか?

一緒に、「原発のコストとみえない負担」について考えてみる講演会です。

<講師ご紹介>
大島堅一(立命館大学国際関係学部教授)

専攻-環境経済学、環境・エネルギー政策論
2011年 資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会基本問題委員会委員 内閣官房国家戦略室エネルギー・環境会議コスト等検証委員会委員
2012年 静岡県原子力経済性等検証専門部会委員

主な著書に「原発のコスト-エネルギー転換への視点」(岩波新書 大佛次郎論壇賞受賞)など

大島先生の語り口調は優しく、たいへんわかりやすい講演でした。

いったん事故が起きれば、そのコストは社会的に莫大なものになること。

そのコストは、電気料金や税金にツケ回しされること。

例えば、政府は、東京電力には、損害賠償、設備投資等のために必要とする金額のすべてを援助できるようにして、東京電力を債務超過にさせないことを閣議決定していること。

原発を推進する人は、原発を止めたら社会が混乱すると言っていたが、いざ止まっても社会は混乱していないこと。

等々のお話をいただきました。

大島先生には、遠方からお越しいただき、優しい語り口で、熱い講演をいただきました。ありがとうございます。

当日は、土曜日にも関わらず、100名を超える方々のご来場をいただきました。
皆様の関心の高さを感じさせるもので、弁護団も勇気をもらいました。

また、マスコミの方にも、静岡新聞社、中日新聞社の方にご取材いただきました。ありがとうございました。

★予約不要!無料!★講演会「原発の本当のコスト 原子力発電が電気代を高くする」@静岡労政会館ホール

2014 年 6 月 19 日 投稿者:浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団

浜岡原子力発電所運転終了・廃止等請求訴訟弁護団主催が主催して、以下のイベントを行います!

<予約不要!無料!>

原子力発電についての講演会
「原発の本当のコスト 原子力発電が電気代を高くする」

講師:大島堅一立命館大学教授

日時 2014年7月12日(土)14時00分~16時30分

(13時30分開場)

場所 静岡労政会館ホール
(静岡市葵区黒金町5−1 JR静岡駅北口徒歩10分)



 平成26年5月から中部電力の電気料金が値上げされました。

 その理由は、浜岡原子力発電所の運転停止により火力発電の燃料費が大幅に増加し、賃金引下げなどのコストダウンを図っても赤字は避けられず、よって電力の安全・安定供給を継続するため値上げせざるを得ないそうです。

しかし…

本当に原子力発電は安い発電方式なのでしょうか?

それに、脱原発すると日本経済は悪くなるのでしょうか?

そもそも、原子力発電のために、税金や電気料金からどれだけのお金が回されているのでしょうか?

一緒に、「原発のコストとみえない負担」について考えてみませんか。
当日、会場でお待ちしております。

<講師ご紹介>
大島堅一(立命館大学国際関係学部教授)

専攻-環境経済学、環境・エネルギー政策論
2011年 資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会基本問題委員会委員、内閣官房国家戦略室エネルギー・環境会議コスト等検証委員会委員
2012年静岡県原子力経済性等検証専門部会委員
主な著書に「原発のコスト-エネルギー転換への視点」(岩波新書 大佛次郎論壇賞受賞)など


主催・問合せ 浜岡原子力発電所運転終了・廃止等請求訴訟弁護団
事務局 〒430-0945 静岡県浜松市中区池町221−5大石康智法律事務所内電話 053(456)3195